mTORC1って何?《筋トレ目線と看護師目線で調べてみた》
mTORC1(エムトールシーワン)は、
筋トレや栄養学的に言うと、
〖筋タンパク質合成の司令塔〗
という表現が適しているようだ。
ただし、
実際には、それよりも
はるかに大きな役割を持つ
《細胞内シグナル複合体》らしい。
ちょっと興味が出たので調べてみた。
Contents
『mTORC1』の正式名称
正式名称:
Mechanistic Target of Rapamycin Complex1
さっぱりだ(笑)
略語の読み方は「エムトールシーワン」で通じるらしい。
まずmTORを知る
これは、
『Mechanistic Target of Rapamycin』
(意味は「ラパマイシンの標的となる分子」)
という、セリン/スレオニンキナーゼ のこと。
一言でいうと、「中央制御装置」。
細胞は常に
- 栄養は足りているか
- エネルギーは十分か
- 成長因子は存在するか
- 酵素は十分か
という監視をしている。
mTORはこれらの情報を統合し、
「今は細胞を成長させてよい状況か」
の判断をする中央制御装置ってわけ。
で、mTORC1とmTORC2の話
mTORには主に2つの複合体がある、と。
それが「mTORC1」と「mTORC2」。
mTORC1
筋トレ界隈でいうmTORは、ほぼこれのことらしい。
《役割》
- 金タンパク質の合成促進
- 細胞成長
- リボソーム産生
- オートファジー抑制
mTORC2
こっちは筋肥大的には関係は薄い、と。
《役割》
- Akt活性化
- 細胞生存
- 細胞骨格制御
- インスリンシグナル調整
mTORC1は何を感知しているのか?
大きく4つのモノを感知しているという。
- ロイシンなどのアミノ酸
- インスリン
- 機械的刺激
- エネルギー状態
この4つ。
ロイシンなどのアミノ酸
これは筋トレ界隈で有名な刺激の流れ。
- 血中ロイシンが増える
- Sestrin2が感知
- Rag GTPase活性化
- mTORC1活性化
という流れ。
これがEAAを摂取したことで起きる体内の現象。
インスリン
食事後、
- インスリン
- Pl3K
- Akt
- TSC2抑制
- mTOR2抑制
となる。
そのため、『糖質』と『タンパク質』を一緒に摂るとmTORC1の活性化が強まるってわけ。
ただし今では
〖インスリンはMPSを増やすよりも筋分解を抑制する作用が大きい〗
と考えられているらしい。
機械的刺激
☆筋トレで最も重要な部分。
- 重量を扱う
- 筋繊維変形
- メカノセンサー活性化
- mTORC1活性化
となる。
筋トレによるmTORC1活性化はインスリンがなくても起きる
という点が非常に興味深い。
エネルギー状態
- ATP不足
- AMP増加
- AMPK活性化
- mTORC1抑制
となる。
つまり、
極端なカロリー制限や長時間の有酸素運動では、
mTORC1が抑えられるのだ。
では、mTORC1が活性化すると何が起きるか?
結果として、mRNAによりタンパク質合成が加速する。
筋肥大で言うと、
- ミオシン
- アクチン
- チチン
などの産生が増える。
なぜロイシンが特別なのか?
EAAの中でなぜロイシンだけが特別なのか?
それは、ロイシンだけがmTORC1の強力な活性化シグナルだから。
つまり、
- ロイシン=工場の開始ボタン
- 他のEAA=建築資材
というわけ。
ロイシンいなきゃ始まらない!ということ。
逆に、
「ロイシンだけをたくさん摂取したとしても、
他のEAAがいないと筋肉は作られない」
とも言える。
だからBCAAよりもEAAが良いと言われるのか。
mTORC1と老化の関係
<注意:本文はchatGPTによる解説を引用>
mTORC1は、
短期的には
- 筋肥大
- 回復
- 創傷治癒
に有利となる。
しかし、慢性的な過剰活性化には
- 老化促進
- インスリン抵抗性
- 一部のがん増殖
との関連が研究されている。
老化研究では、免疫抑制剤として開発された薬
〖Rapamycin(シロリムス)〗が注目されているという。
ラパマイシンはmTORC1を抑制する。
この話の流れで言うと、老化を抑えるということか。
動物実験ではすでに寿命延長効果が多数報告されているらしい。
筋トレに特化して考えてみる
うちも、10歳の息子が
「筋肉を大きくしたい」
と言い出した。
毎日腕立て伏せをやっている。すばらしい。
筋肥大を最大化する条件
さて、筋肥大を最大化する条件は
〖機械的刺激×EAA×十分なエネルギー〗
である。
つまり、
- ハードなトレーニング
- EAA(または高たんぱく質)の摂取
- カロリー不足しないこと
の3つが揃ったときにmTORC1が最も活性化される。
逆に、やってはいけないこと
- 絶食
- 睡眠不足
- 過度な減量
- 慢性的疲労
では、AMPK優位となり、mTORC1シグナルは弱まってしまう。
さいごに、看護師としての視点で考えてみる
mTORC1は単なる筋肥大スイッチではない。
- 創傷治癒
- 免疫細胞増殖
- 造血
- 腸上皮ターンオーバー
など、組織の再生全般を統括しているシステムだ。
筋トレでよく考えられている、
EAA、ロイシン、mTORC1シグナルは
生体を維持するのに欠かせない巨大なシステムの一部に過ぎないということか。
壮大すぎるぜ人体。。。
